肌の表面は、意外にもこんなにハイスペック!

スキンケア

「成分を肌の奥まで届けたい」と思っても、成分が届くのは肌の表面にある表皮(角質層)まで。ちょっとガッカリしましたか?でも表皮には、美しく健康な肌を守るためのすごい機能があるんです。

「表皮」ってどこのこと?

肌(皮膚)は、「真皮」と「表皮」という2つの層でできています。

皮下脂肪(皮下組織)の上にある厚さ約2mmの「真皮」には、繊維状のコラーゲンやエラスチン、ゼリー状のヒアルロン酸が含まれています。血管やリンパ管、神経が通っているのもこの「真皮」です。 その上にあるのが、約0.2mmの「表皮」です。「真皮」の10分の1ほどの厚さしかありませんが、「真皮」に近いところから「基底層」「有棘(ゆうきょく)層」「顆粒層」「角質層(角層)」という4層に分かれています。とても繊細ですよね。

表皮が持つ「バリア機能」の役割

約0.02mmという食品保存用ラップほどの厚さしかない「角質層」も、10~20ほどの層になっています。「角質層」には肌本来の保湿成分である「天然保湿因子(NMF)」が入ったブロック状の「角層細胞」が並んでいて、そのすき間を「細胞間脂質」という脂質が満たしています。ちょうどブロック同士をセメントでくっつけているようなイメージです。

そして「角質層」の上には、皮脂と汗がコレステロールやリン脂質といった天然の乳化剤によって混ざり合うことで生まれた「皮脂膜」があり、ヴェールのように覆っています。

これらの「細胞間脂質でしっかりと密着した角質層」と「皮脂膜」は、さまざまな外的刺激から肌を守る天然の防御機能を果たしています。これを「バリア機能」と呼んでいます。「バリア機能」の具体的な働きを見ていきましょう。

乾燥から守る

「バリア機能」が働いていないと、肌にあたる風や気温の変化などによる乾燥で、肌はカラカラに。肌が持っている水分も、すぐに蒸発してしまいます。

物理的・化学的刺激から守る

何かが当たったり擦れたりすることによる物理的刺激。そして排気ガスや工場の煙、PM2.5、黄砂、タバコの煙、花粉などの化学的刺激。これらから守ってくれているのも「バリア機能」です。

紫外線から守る

シミ、シワ、乾燥、炎症など、肌にさまざまな悪影響を与える紫外線。「バリア機能」が整っていると、その影響を受けにくくなります。紫外線を浴びると「バリア機能」が弱くなるので、日焼け止めでしっかり対策をしましょう。

ウイルス・菌から守る

「バリア機能」はウイルスや菌の侵入も防いでくれます。
また表皮の「有棘層(ゆうきょくそう)」には、「ランゲルハンス細胞」という免疫細胞も存在しています。異物の侵入をすばやく察知してほかの免疫細胞に攻撃命令を出したり、乾燥や刺激による炎症を起こさないように守ったりします。さらに表皮の「基底層」から生まれる「ケラチノサイト」も、菌を直接やっつけて守る「抗菌ペプチド」を生み出しています。

活性酸素(酸化)から守る

DNAを破壊して老化やガンの原因となる「活性酸素」。皮脂を酸化させて「バリア機能」にダメージを与え、アトピー肌を引き起こすことも知られています。この「活性酸素」に対抗するのが、表皮が持つ「抗酸化成分」や「酵素」です。これらは基底層や有棘層のほか、角質層の角層細胞にも含まれています。

表皮をケアすることが美肌への王道

「バリア機能」を含め、その薄さからは想像できないほどハイスペックな機能を持つ表皮。化粧品の成分は表皮(角質層)までしか届かないと知ってがっかりした人も、表皮を守ること、「バリア機能」を守ることの大切さに気付いたのではないでしょうか。

「バリア機能」は「細胞間脂質でしっかりと密着した角質層」と「皮脂膜」でできていると説明しましたが、「細胞間脂質」の主成分である「セラミド」は、年齢とともに減ってしまうものです。「皮脂膜」も男性は20代以降増えていきますが、女性は20代から減っていきます。化粧品で補って、美しく健康な肌を守りましょう。

正常なターンオーバーも大切

表皮のほとんどは「基底層」から生まれる「ケラチノサイト(角化細胞)」でできています。「ケラチノサイト」は分裂しながら「基底層」、「有棘(ゆうきょく)層」、「顆粒層」、「角質層(角層)」、そして垢へと変化し、最後は自然と肌から剥がれ落ちていきます。つまり表皮は、細胞が生まれてから死んでいく「ターンオーバー」の過程ともいえるのです。ターンオーバーを正常にすることが、表皮が持つ「バリア機能」やそのほかの防御機能を守ることにつながります。正常なターンオーバーのために、十分な睡眠、バランスのよい食事、正しいスキンケアを心がけましょう。

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