ターンオーバーを制するものは美容を制す!?美肌への近道と過度なスキンケアの危険性
「ターンオーバー」という言葉を聞いたこともあるし、ターンオーバーが遅くなるとよくないということもなんとなく知っているという方は多いと思います。では、ターンオーバーは早ければ早いほどいいのでしょうか。今回はそんな疑問にお答えしながら、ターンオーバーに関する正しい知識と、過度なスキンケアの危険性について解説していきます。
目次
ターンオーバーってそもそもなに?
ターンオーバーとは、ひとことでいうと表皮の代謝サイクルのことです。私たちが赤ちゃんとして生まれて、大人になり、死んでいくように、ひとつひとつの肌細胞も生まれて、成熟し、最後は垢となって剥がれ落ちていきます。この一連のプロセスを、皮膚科学用語で「ターンオーバー」と呼ぶのです。
年齢にもよりますが、一般的にターンオーバーの期間は約28日または約42日といわれています。なぜこんなにも差があるのでしょうか。
それは、表皮の細胞が生まれた「増殖」を起点とするか、成熟しはじめる「分化」を起点とするかの違いです。上のそれぞれのステップは各14日が目安なので、「28日」と数えても「42日」と数えても、同じく正常なターンオーバーサイクルだということです。
ターンオーバーは個人差がある上に、年齢でも変わってくるので、正確な計測方法はまだわかっていません。肌トラブルがなく美しい肌をキープできているなら、あなたの肌のターンオーバーは正常であるといえるでしょう。
ターンオーバーは早い方がいい!?
化粧品などでよく見かける「ターンオーバーを促進」という文字。そこから飛躍して、ネットなどでは「ターンオーバーを早めることが重要」というような言い回しもよくみかけるようになりました。先ほどターンオーバーのメカニズムをしっかりと理解したあなたならもうお分かりかもしれませんが、「早ければ早いほどいい」というのは間違った考え方です。
ターンオーバーは、早くても遅くてもよくありません。ターンオーバーが遅い場合は、ターンオーバーを促進して早めることで正常なサイクルに戻す必要がありますが、早すぎる場合は、落ち着かせて正常なサイクルに戻す必要があるのです。
次に、ターンオーバーが早すぎる場合と、遅すぎる場合の原因とお困りごと、対策方法をご紹介します。
ターンオーバー周期が早い場合
ターンオーバーの周期が早いと、細胞が未成熟のまま表皮の表面に上がってきます。乾燥などの外的刺激から守る「バリア機能」もまだ十分に機能しないため、乾燥肌や肌荒れにつながってしまいます。それはまるで、生まれたての赤ちゃんを厳しい社会に送り出すようなもの。立派なバリア機能を果たせるようになるまで、じっくり時間をかけて成熟させることが必要です。
ターンオーバーが早くなる原因は、紫外線や乾燥といった外的刺激、メイクやスキンケアによる摩擦、間違ったスキンケアなどです。ターンオーバーが早い人の肌の特徴は、乾燥肌や肌荒れが目立つこと。正しい保湿をきちんと続けることで、ターンオーバーのサイクルも少しずつ落ち着いてきます。
ターンオーバー周期が遅い場合
反対にターンオーバーの周期が遅いと、角層の剥離が滞ることで、くすみやシミの原因に。放っておくと角質層が次第に厚く、固くごわごわとした質感になり、透明感をどんどん失っていきます。
また本来なら剥がれ落ちるべき古い細胞(古い角質)が肌にとどまることになるので、スキンケアをしてもほとんどその古い細胞(古い角質)が吸収してしまいまい、本来届けたい細胞にまで届かないという事態にも。
死亡した肌細胞(古い角質)は、できるだけスムーズに垢となって剥がれ落ちることが理想です。自然と剥がれ落ちない場合は、肌にやさしいピーリング剤を使用するのがおすすめの対処法。まずは肌表面に溜まっている古い細胞(古い角質)を排除することで、次の細胞(角質)が正常にはがれやすくなります。ただ、ピーリング剤は刺激が強いものもあるので、肌が荒れている場合は控えることをおすすめします。
ターンオーバーが遅くなるおもな原因は、加齢、乾燥、肌のpHがアルカリ性に傾いている、不健康な健康習慣などです。加齢以外の原因をなるべく排除するように心がけながら、この場合はターンオーバーを早める手立てを打つことも大切です。とはいえ、過度なターンオーバーの促進は乾燥や肌荒れを引き起こしてしまうので、注意が必要です。成長フェーズはゆっくり、剥離フェーズは速やかであることが、理想的なターンオーバーです。私たちは「ターンオーバーを整える」といういい方をしますが、これが理想的なターンオーバーに近づけるという意味なのです。
過度なスキンケアにはリスクがある
ターンオーバーを促進したい方向けによく使われる成分があります。「レチノール」です。
レチノールの成分はビタミンAで、細胞の増殖・分化を活性化させる役割があるとされています。ごわごわやくすみが気になっていて、ピーリングでも満足できないときは、レチノールに頼ることもありかもしれません。
ただレチノールには肌の乾燥や赤み、かゆみといった副作用が出ることもあります。これらの副作用は、急に新陳代謝が促進されてしまうことや、レチノールの濃度が濃いことも原因です。日本の化粧品におけるレチノール配合率は、2001年の薬事法改正前までは100gあたり250000IU(約0.04%)までと決められていましたが、現在は撤廃されています。自主基準を設けて開発をしているメーカーもありますが、基本的に配合量は自由。特に海外製の化粧品だと、レチノールの配合量が多い商品も少なくありません。
敏感肌や乾燥肌の方は特に、「レチノール高配合量」とアピールしている化粧品を使うなど、過度なスキンケアは控えた方が無難です。毎日使うスキンケアなので、1%以下など濃度の低いレチノールを選んで長期的に使うことをおすすめします。
どうしても強い成分を使いたい場合は、皮膚科で皮膚の状態を診てもらい、自分に合った治療をおこないましょう。短期的に治したいのであれば、美容医療もひとつの方法です。 スキンケアはやりすぎるとリスクを伴います。
ターンオーバーの仕組みを正しく理解して、適切なスキンケアを心がけてくださいね。
肌に「マル」な成分だけを使用した、スキンケアブランド「肌○(はだまる)」編集部によるwebマガジンです。
肌◯では、肌の「バリア機能」を整えて健康な肌を目指す、低刺激・高保湿のスキンケアシリーズを展開しています。敏感肌・トラブル肌で悩む方が、最後にたどりつくスキンケアブランドをつくりたいという想いから、スキンケアに関するさまざまな情報発信をしていきます。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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