意外と知らない…「敏感肌」って、そもそも何?

スキンケア

「敏感肌」という言葉は知っているけど、「敏感肌」の具体的な症状は? 「乾燥肌」や「アトピー肌」とどう違うの? などと聞かれると、答えられない人がほとんどではないでしょうか。
今回は、「敏感肌」とはどういうものか、そして「敏感肌」に必要なスキンケアについてご紹介します。

「敏感肌」の症状は?

「敏感肌」とは、健康な肌では何ともないような刺激にも反応してしまい、肌トラブルを引き起こすデリケートな状態のことをいいます。

刺激とはたとえば、紫外線、季節の変わり目の寒暖差、花粉、ダニ、黄砂、PM2.5、化粧品などに入っている化学物質、衣類との擦れ、ストレスなど、人によって違います。

その症状の出方もさまざまで、

・洗顔後つっぱる
・違和感がある
・カサカサに乾燥する
・肌が荒れてごわごわする
・少し痒くてヒリヒリする

といった自分でしか気付かない比較的軽度な症状から、

・乾燥して粉を吹く
・湿疹やかぶれ、赤みが出る
・ニキビや吹き出物ができやすくなる
・耐えられない痒みでひっかき傷ができる

など、誰が見ても分かる重度な症状まであります。

というのも「敏感肌」に明確な医学的定義はなく、刺激に反応しやすいデリケートな肌状態のことを広く指し示す言葉だからです。「健康で強い肌」の反対が「敏感肌」というイメージでよいかと思います。

「敏感肌」と「乾燥肌」「アトピー肌」「脂性肌」の違いは?

先ほど挙げたように、「敏感肌」の症状は、カサカサの「乾燥肌」、痒みをともなう湿疹やかぶれ、赤みが出る「アトピー肌(アトピー性皮膚炎)」、皮脂が多くニキビや吹き出物ができやすくなる「脂性(オイリー)肌」の症状とかなり重なっています。何か違いはあるのでしょうか。

乾燥肌
「乾燥肌」は、肌に水分や油分が少ないのが特徴です。きちんとケアできずにその状態が続くと、「敏感肌」になってしまいます。つまり「乾燥肌」は「敏感肌」の初期段階といえます。

アトピー肌(アトピー性皮膚炎)
「アトピー肌(アトピー性皮膚炎)」は、正式な皮膚疾患の名前です。アレルゲンや摩擦、化学物質などによる刺激によって、痒みをともなう湿疹ができ、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら長く続くのが特徴です。アトピー患者の多くが遺伝的、体質的なアトピー素因※を持つとされています。

「アトピー肌(アトピー性皮膚炎)」は「敏感肌」の種類のひとつであり、「超敏感肌」といえるでしょう。

※気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎など、アレルギー性の病気に本人または家族がかかったことがある、または免疫に関係するたんぱく質の1種、IgE抗体を産生しやすい体質であること。

脂性(オイリー)肌
「脂性(オイリー)肌」は、肌に水分と油分が多く、テカリやニキビに悩まされやすい肌のこと。「脂性(オイリー)肌」でトラブルがないようなら「敏感肌」とはいえませんが、ニキビ(正式には「尋常性ざ瘡」という皮膚疾患)ができるようなら「敏感肌」といえます。

また「脂性(オイリー)肌」や、油分が多いところと乾燥しているところが混在する「混合肌」の方がなりやすい「敏感肌」として、「脂漏性皮膚炎(湿疹)」というものもあります。頭皮や眉のまわり、鼻の脇など、皮脂が多く分泌される部分に起こる、赤みや湿疹、かゆみ、皮むけ、フケをともなう皮膚疾患です。乳児のときにかかると、「乳児脂漏性皮膚炎(湿疹)」と呼びます。

このように、「乾燥肌」が悪化すると「敏感肌」に

「アトピー肌(アトピー性皮膚炎)」や、「ニキビ(尋常性ざ瘡)」「脂漏性皮膚炎(湿疹)」ができる「脂性肌」は、「敏感肌」の一種なのです。

「敏感肌」の原因は、バリア機能の低下

「敏感肌」の症状はさまざまですが、「敏感肌」になる原因は共通しています。それは肌が本来持つ「バリア機能」の低下です。

「バリア機能」とは表皮の一番外側にある角質層が持つ機能で、乾燥をはじめとするさまざまな刺激から肌を守っています。ラップほどの薄さしかない角質層には、「天然保湿因子(NFM)」を含んだブロック状の「角層細胞」がきれいに並んでいて、そのすき間を「細胞間脂質」という成分が満たしています。さらに角質層の表面には、潤いのヴェール「皮脂膜」が覆っています。これらが揃うことで、「バリア機能」が正常に働くのです。

「天然保湿因子(NFM)」や「細胞間脂質」、「皮脂膜」が不足していると、乾燥しやすく、刺激に反応しやすい「敏感肌」になってしまいます。「敏感肌」のお悩みには、必要な成分をきちんと補って「バリア機能」を正常化させることが大切です。

また生活習慣も大きな影響を与えます。不規則な食事、睡眠不足、ストレス、過度のアルコール、喫煙。そして加齢、女性なら月経によるホルモンバランスも深くかかわっています。肌のお手入れと同じく、生活習慣を整える努力も欠かせません。

「敏感肌」なら徹底したいスキンケア方法

「敏感肌」の症状が出ているとき、また「敏感肌」になるのを防ぐためには、どんなことができるでしょうか。それは、肌に負担をかけないスキンケアを徹底することです。

ダブル洗顔でしっかり落とす

肌にメイクや余分な皮脂、古い角質、ホコリ、花粉などの汚れが残ったまま放っておくと刺激になってしまいます。また汚れが残っているとスキンケア効果も半減してしまうので、「落とすケア」は手を抜かないようにしましょう。

「敏感肌」の場合は特に、洗浄力の強い「ダブル洗顔不要タイプ」ではなく、油性の汚れを落とす「クレンジング」と、水性の汚れを落とす「洗顔」でのダブル洗顔がおすすめです。

(参考)スキンケアの要はクレンジングと洗顔!「落とすケア」の本当の意味

ぬるま湯+たっぷりの泡でやさしく洗う

熱いお湯で洗顔をすると、「皮脂膜」が落ち、角質細胞のすき間を埋めている「細胞間脂質」が溶け出してしまいます。必ずぬるま湯で洗うようにしましょう。

石鹸の泡は細かくたっぷり泡立てて、摩擦による刺激を少しでも減らすことが大切です。

UV対策を怠らない

紫外線を浴びると肌は乾燥し、「バリア機能」が低下します。さらに最近は、紫外線が肌の免疫細胞を抑えるということも分かってきました。

家の中にも紫外線は入ってくるので、毎日必ずUV対策を行ってください。日焼け止めはたっぷりめに塗り、3時間おきに塗り直すのがベストです。日傘や帽子なども取り入れましょう。

保湿はクリームまで

特に「脂性(オイリー)肌」や「脂性敏感肌」の方だと、皮脂が多いからと化粧水だけで済ませてしまう方もいますが、きちんと乳液や保湿クリームまで塗るのが鉄則。化粧水だけだと角質層の水分が逃げてしまいます。乾燥した肌は自分を守るために皮脂を過剰に分泌し、その結果、ニキビなどの肌トラブルを招くこととなります。

絶対にゴシゴシ擦らない

「敏感肌」をケアするには、水分や汗をタオルで拭くときはそっと押さえるようにしましょう。化粧水はコットンなどでつけるより、手でつけた方が摩擦を抑えられます。「バリア機能」を育てるためには、摩擦をできるだけ避ける必要があります。

低刺激のスキンケア化粧品を選ぶ

「敏感肌」のスキンケア化粧品選びの基本は、刺激の少ないものを選ぶこと。効果効能が強力であったり、多かったり、また低刺激タイプでも使用するアイテム数が多かったりする場合は、それだけ肌の刺激となる可能性が高くなるといえます。なるべく「敏感肌」のケアに特化したもので、成分がシンプルで、アイテム数が少なくて済むものがおすすめです。

「敏感肌」の方は特に、まずはトライアルセットから試すようにしましょう。「敏感肌」のことをより深く知ることで、「敏感肌」で悩む方が少しでも減ることを願っています。

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