大人のニキビに効くのはどっち?アゼライン酸とレチノールの違いを解説

肌に「マル」な成分だけ。肌〇(はだまる)編集部です。
繰り返すニキビや毛穴のざらつき…。
年齢を重ねてもなお続く肌トラブルに、「このケアで合っているのかな?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
「どっちがいい?」の前に大切なこと
最近では、ニキビや毛穴悩みに効果的な成分として「アゼライン酸」と「レチノール」が注目されています。しかし実際に取り入れるとなると「どっちがいいの?」「自分には合ってるの?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。自分の肌に合った成分を選ぶことで、より効果的なケアが可能になります。
この記事では、アゼライン酸とレチノールの特徴や違い、肌悩みに合わせた選び方をわかりやすく整理します。「今の肌の状態」に合ったケアを見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
アゼライン酸とは?特徴・効果・向いている肌タイプ

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物に含まれる天然由来の成分で、海外ではニキビやくすみケアに使われてきた実績のある成分です。近年では日本でも注目され、特に敏感肌向けのスキンケアとして関心が高まっています。
この成分の大きな特徴は、毛穴に詰まった皮脂や古い角質にやさしくアプローチしながら、肌への刺激が比較的少ないこと。特に脂性肌の方に向いており、皮脂の過剰分泌を抑えながら、毛穴詰まりやニキビを防ぎ、肌のバランスを整える働きがあります。
ニキビの初期段階である「面皰(コメド)」は、古い角質がうまく剥がれ落ちず、毛穴の出口を塞いでしまうことで生まれます。アゼライン酸は、この角質の過剰な蓄積を防ぎ、いわゆる「毛穴のフタ」をできにくくすることで、毛穴詰まりを根本から予防するのに役立ちます。これはニキビケアにおいて非常に重要なポイントです。
また、アゼライン酸には肌のターンオーバー(生まれ変わり)を整える作用や、くすみの軽減にも効果が期待されています。即効性のあるタイプではありませんが、穏やかに、じっくりと肌に働きかけるのが特長です。継続的に使うことで、肌全体の調子が整っていくのを実感できるでしょう。
アゼライン酸は次のような方におすすめです
- 肌が赤くなりやすい、刺激に弱い
- 脂性肌で、ニキビや毛穴詰まりが気になる
- やさしい使い心地でニキビケアを始めたい
- 肌のトーンや明るさも気になる
まずは低濃度のものから取り入れ、肌の様子を見ながら使い続けることがポイントです。
レチノールとは?特徴・効果・向いている肌タイプ

レチノールは、ビタミンAの一種で、古くからスキンケアや美容医療で広く使われてきた成分です。肌のターンオーバー(新陳代謝)を促し、ニキビだけでなく、シワやたるみなどのエイジングケアにも効果が期待されています。
レチノールの大きな特徴は、肌の基底層(細胞が生まれる最も奥の層)に働きかけること。これによりターンオーバーが促進され、新しい細胞が表面へ押し上げられ、メラニンを含む古い角質が排出されやすくなります。その結果、毛穴の詰まりを防ぎながら、肌全体の明るさやなめらかさをサポートします。
また、レチノールには、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンの産生を促す働きもあります。さらに、肌の水分保持力に関わるヒアルロン酸の合成を助けることで、しっとりとしたハリのある肌へと導いてくれます。
こうした幅広い効果がある一方で、レチノールは種類や濃度によっては刺激を感じやすい成分でもあります。特に濃度が高い製品や、ピュアレチノールなど作用の強いタイプは、肌に赤みや乾燥を感じることもあるため注意が必要です。敏感肌やレチノールに慣れていない方は、パルミチン酸レチノールなど刺激の少ないタイプから始めると安心です。
レチノールは次のような方におすすめです
- ニキビケアに加え、シワ・たるみなども気になる
- 肌のターンオーバーをしっかり促進したい
- 肌のハリや明るさをアップさせたい
- ある程度肌が慣れてきて、より積極的なケアをしたい
使い始めは少量からスタートし、肌の反応を見ながら無理のないペースで取り入れていくのがポイントです。
アゼライン酸とレチノールの比較表
アゼライン酸とレチノールは、どちらもニキビや毛穴悩みにアプローチできる優秀な成分ですが、それぞれの得意分野や肌への作用には違いがあります。
ここでは、特徴や効果の違いをわかりやすく比較表にまとめました。
「今の私の肌にはどちらが合っているか」を考えるヒントとして、ぜひご活用ください。
項目 | アゼライン酸 | レチノール |
成分の特徴 | 自然由来 (小麦やライ麦などに含まれる) | ビタミンAの一種 |
主な作用 | 皮脂・角質ケア、毛穴詰まり予防、 くすみケア | 皮脂・角質ケア、毛穴詰まり予防、くすみケア、ターンオーバー促進、毛穴・皮脂ケア、ハリ・弾力アップ、くすみ改善 |
作用の強さ | 穏やかでやさしい | 比較的パワフル(種類・濃度により異なる) |
向いている肌質 | 脂性肌・敏感肌 | 普通肌~やや強めの肌 |
肌への刺激性 | 比較的少ない | 種類や濃度により刺激がでることも |
ニキビへのアプローチ | 毛穴のフタ(古い角質や皮脂)の形成を防ぐ→面皰(コメド)の予防 | ターンオーバーを促進し、毛穴詰まりや皮脂のバランスを整える |
その他の効果 | 肌のトーンを整える、穏やかな肌質改善 | シワ・たるみケア、コラーゲン・ヒアルロン酸の生成を促す |
向いている人 | 刺激に弱い/赤みが出やすい/ニキビケアをやさしく始めたい方 | エイジングケアもしたい/ある程度肌が慣れてきた/積極的に肌を変えていきたい方 |
使用のコツ | 毎日のスキンケアに穏やかに取り入れる | 少量からスタートし、肌の様子を見ながら調整 |
肌悩み・目的別|私に合うのはどっち?
「アゼライン酸とレチノール、どちらがいいの?」と迷ったときは、自分の肌状態や悩みに合わせて選ぶことが大切です。ここでは、肌質や症状ごとに向いている成分の傾向をご紹介します。

敏感肌・赤みが出やすい肌の場合
→「アゼライン酸」がおすすめ
刺激が少なく、炎症を抑える作用があるため、ヒリつきや赤みが出やすい方でも使いやすい成分です。肌を穏やかに整えながら、毛穴詰まりの原因にアプローチできます。

脂性肌・皮脂の過剰分泌が気になる場合
→「アゼライン酸」がおすすめ
皮脂の分泌をコントロールする作用があり、テカリや毛穴詰まりの予防に効果的。ニキビができにくい肌環境を整えるサポートをします。

ニキビ跡の色素沈着・くすみが気になる場合
→「アゼライン酸」または「レチノール」
アゼライン酸はメラニンの生成を抑えることで色素沈着を予防し、レチノールはターンオーバーを促すことで肌にたまった古い角質やメラニンを排出するのに役立ちます。

白ニキビ・黒ニキビには「レチノール」/赤ニキビには「アゼライン酸」
レチノールはターンオーバーを促し、毛穴の詰まりを改善することで白ニキビや黒ニキビの発生を防ぎます。
一方、赤ニキビのように炎症を伴うものには、抗炎症作用のあるアゼライン酸が有効です。

皮膚のごわつき・毛穴の開き・たるみが気になる場合
→「レチノール」がおすすめ
肌の新陳代謝を活性化し、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促すことで、ハリ感をアップさせます。毛穴の開きや肌のごわつき、軽いたるみにもアプローチできます。

年齢とともにニキビとエイジングサインが気になる場合
→「レチノール」がおすすめ
レチノールはニキビケアだけでなく、シワ・たるみなどのエイジングサインにも効果を発揮します。年齢とともに複合的になりやすい肌悩みに総合的に働きかけます。
成分選びに「絶対の正解」はありませんが、「今の私の肌状態」に合ったものを知ることが、肌トラブルを繰り返さないための第一歩。迷ったときは、やさしい成分からスタートし、肌の反応を見ながら切り替えていくのも良い方法です。
組み合わせて使ってもいいの?
アゼライン酸とレチノールは、それぞれ異なるメカニズムでニキビや毛穴悩みにアプローチする成分です。
「両方使ったほうが、より早く肌が整うのでは?」と思う方もいるかもしれませんが基本的に「併用の必要はない」と考えます。
なぜなら、それぞれが得意とする肌悩みや働きが異なるため、「今の自分の肌」に必要な方を選べば、単体でも十分にケア効果を実感できるからです。
また、アゼライン酸もレチノールも肌にしっかり働きかける成分のため、無理に同時使用することで刺激や肌トラブルの原因になる可能性も。特に敏感肌や肌がゆらぎやすい時期には、どちらか一方を取り入れて、肌の変化を見ながら使っていくのがおすすめです。
使い方のポイントと注意点
アゼライン酸もレチノールも、正しく使えば肌の味方になります。ただし、使い方によっては刺激を感じることもあるため、以下のポイントを意識しながら、無理なくスキンケアに取り入れましょう。
少量から始めて様子を見る
初めて使うときは、いきなり顔全体に使うのではなく、ごく少量を部分的に試すのが基本。敏感肌の方は、週に数回からスタートして、徐々に使用頻度を上げるのが安心です。
基本は夜のスキンケアで使用
アゼライン酸もレチノールも紫外線により分解されやすく、日中の使用で肌が敏感になることも。夜のスキンケアに取り入れ、朝は日焼け止めでしっかり保護しましょう。
保湿と紫外線対策はセットで考える
どちらの成分も、肌のターンオーバーを促すため、乾燥しやすくなることがあります。丁寧な保湿でバリア機能をサポートし、紫外線対策も忘れずに行いましょう。
肌の調子を見ながら続ける
赤み・かゆみ・違和感を感じた場合は、いったん使用を中止して肌を休ませましょう。肌の状態は日々変わるもの。無理せず、肌の声を聞きながら使い続けることが、美肌への近道です。
成分選びは「今の自分の肌」に合わせて

アゼライン酸とレチノールは、どちらも頼れるスキンケア成分ですが、肌への働き方や向いている肌質には違いがあります。
大切なのは、「流行っているから」ではなく、「今の自分の肌に合っているかどうか」で選ぶこと。
刺激に敏感な時期にはアゼライン酸、肌のごわつきやエイジングサインが気になるときはレチノールなど、肌状態に合わせて使い分けていくことで、無理なく続けられるスキンケアが見つかります。
肌と丁寧に向き合う日々の積み重ねが、未来の肌を育てる力になります。
自分にあった成分を見つけて、理想の肌を手に入れましょう。

肌に「マル」な成分だけを使用した、スキンケアブランド「肌○(はだまる)」編集部によるwebマガジンです。
肌◯では、肌の「バリア機能」を整えて健康な肌を目指す、低刺激・高保湿のスキンケアシリーズを展開しています。敏感肌・トラブル肌で悩む方が、最後にたどりつくスキンケアブランドをつくりたいという想いから、スキンケアに関するさまざまな情報発信をしていきます。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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