グリセリンフリーは肌に良い?グリセリンの効果や安全性、肌への影響について解説

肌に「マル」な成分だけ。肌〇(はだまる)編集部です。
「グリセリンフリーって最近よく聞くけど、肌に良いの?」
「グリセリンを使うとニキビが増えるって本当?」
SNSやWebサイト上で、なんとなくグリセリンは肌に悪いという印象が広がっているようです。
今回は、グリセリンの効果や安全性について正しい知識をお伝えするとともに、ニキビの原因となるのか、噂の真相も解説していきます。
目次
グリセリンとは?効果・安全性・使用感
グリセリンは、化粧品だけでなく医薬品としても古くから使われており、長年の使用実績があります。市場の化粧水の約9割に配合されているといわれる身近な成分です。
効果

化粧品におけるグリセリンの効果は主に保湿です。
なぜ保湿できるのかというと、グリセリンは水分をつかむ(吸収する)力があるからです。
肌の上にただの水をのせると、水はどんどん蒸発していきますよね。
そこで、水分をつかむグリセリンを一緒に肌の上にのせると、水分が肌の上にとどまります。水分が長くとどまることで肌に水分が浸透し、保湿につながります。
保湿といっても、なぜ保湿できるのか、成分によって異なるので、特徴を知っておくのは大切です。
また、水と混ざると発熱する性質があるので、ホットクレンジングなど温感化粧品に使用される場合もあります。
グリセリンが成分表示の一番上に記載されている場合は、温感作用を目的として配合されている可能性が高いです。
安全性

敏感肌やアトピーの方は特に気になる項目ではないでしょうか。
グリセリンは、アレルギー性や皮膚刺激性はほとんど無いといわれ、安全性の高い成分です。
化粧品だけでなく医薬品や食品添加物としても使用されており、50年以上の使用実績があります。
長年の使用実績と汎用性の高さからも安全性が高いといえます。
使用感

グリセリンは、無色透明で、やや粘性のある液体です。とろみがあるため、グリセリンを配合するとしっとり感、滑らかな使用感となります。水溶性の成分ですが、界面活性剤と一緒に油性の化粧品にも使われています。
グリセリンはニキビの原因になる?
グリセリンの効果や安全性の高さががわかったところで、「ニキビの原因になるのか?」について解説していきます。

結論から先に述べると、グリセリンはニキビの原因とはなりません。
そもそもなぜニキビの原因になるといわれはじめたのでしょうか?
とある実験で、グリセリンがアクネ菌のエサとなる可能性が浮上したことで話題になったようです。
アクネ菌は皮脂など油を好んで食べます。話題となった実験は水溶性の保湿剤のみを比較検討した試験で、油である油性成分が無い状態で行われています。
皮脂が存在するヒトの皮膚上で、水溶性のグリセリンがアクネ菌のエサとなる可能性は低いです。
また、ニキビができにくいとされるノンコメドジェニック化粧品や、ニキビ治療薬にもグリセリンは配合されています。
つまり、グリセリンを配合していてもニキビが増える事実はなく、グリセリンはニキビの原因とはならないのです。
グリセリンとその他の保湿成分の違い
化粧品によく配合される保湿成分は、グリセリンのほかにBG(ブチレングリコール)、DPG(ジプロピレングリコール)があります。
グリセリン同様、水分をつかむ力はありますが、保湿力はグリセリンが一番高いです。
BG、DPGはグリセリンにはない静菌作用もあるため、配合する防腐剤の量を減らす役割も果たしています。
安全性については、BGで極微、DPGで軽度の皮膚刺激性が報告されており、グリセリン>BG>DPGの順で安全性が高いといえます。
グリセリンフリーは肌に良い?選ぶ前に知っておきたいこと
グリセリンフリーとは、言葉の通り、グリセリンを含まないという意味です。
グリセリンフリーだから肌に良いとは限りません。肌の状態や使用感を考慮し選ぶのが大切です。
ここでは、グリセリンフリー化粧品について検討する前に、知っておきたいポイントを解説します。
やりすぎ保湿はニキビの原因となる

保湿のしすぎで肌の皮脂量が多くなると、アクネ菌のエサが増え、ニキビの原因となります。
グリセリン自体はニキビの原因とはなりません。
ニキビができやすい、脂性肌の方は、油分を与えすぎないようにするのが大切です。
皮脂量の多いTゾーンは油分の多いクリームを避けるなど、肌の部位で化粧品を使い分けるのもおすすめです。
敏感肌・乾燥肌の方はグリセリンを取り入れたほうが良い
グリセリンは保湿剤の中でも安全性が高く、多くの方が安心して使用できる保湿成分です。グリセリンをむやみに避けることで、保湿力が不十分になる可能性もあります。
敏感肌や乾燥が気になる方は、グリセリンフリーではなく、むしろ積極的に取り入れたほうが良いでしょう。
グリセリンの使用感
グリセリンはやや粘性があり、配合量が多いとべたつきを感じる場合もあります。
グリセリンフリー化粧品にすることで、サラッとした使用感に仕上がった商品もあるようです。使用感が気に入ったのなら、試してみてもよいでしょう。
大切なのは成分について正しく知ることから

「グリセリンフリー」という言葉が流行っていると、何となく避けた方がいい、グリセリンは肌に悪いもの、というイメージが湧きますよね。
実際は、グリセリンは安全性が高く肌に悪いものではありません。
化粧品成分にまつわる情報はネットにあふれています。成分について正しく知り、自分の肌に必要か、不要かを見極めていくのが大切です。

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